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ネット・ゲーム依存症

ネット・ゲーム依存症の問題

インターネットやゲームに疎く、iPhonの操作もおぼつかない状態の私ですが、親としても療法士としても「ネット・ゲーム依存」の問題には関心を持っておくべきと思い、簡単にではありますが、まとめてみました。

ネット・ゲーム依存症とは

  • 覚せい剤やヘロインといった薬物やアルコール依存症と同じような症状が出て、社会生活が営めなくなる病。
  • 依存に陥ると、脳内では、ネットやゲームは薬物と同じように作用し、脳の一部を変質させる。
  • 依存の対象となるネットやゲームを「デジタル・ヘロイン」と呼ぶこともある。

どんな問題が生じる?

  • 身体面:視力低下、腱鞘炎、頭痛、腰痛
  • 精神面:抑うつ睡眠障害、強迫的症状
  • 社会面:学業不振、不登校、暴力行為

アメリカ精神医学会

  • 2013年、いち早く診断基準を設定。
  • DSM-5』において「インターネットゲーム障害」という診断基準を設けた。

WHO

  • 2019年、「ゲーム障害」として正式に認定。
  • ゲーム依存をギャンブル依存症などと同レベルの疾病と位置付けた。

WHOの主な定義

  • ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない。
  • 日常生活やほかの関心ごとよりもゲームを最優先する。
  • 問題が起きているのにゲームを続ける、よりゲームに没頭する。

という状況が1年以上続いて社会生活に重大な支障が出ている場合、または症状が現れて1年未満であってもそれが深刻な場合にゲーム障害と診断することになる。

増えているの?

  • 厚生労働省の2017年の調査によるとSNSやオンラインゲームなどに対する依存が疑われる中高生は全国で約93万人に上る。
  • 新型コロナによるロックダウン・ステイホーム等の対策で、世界中で増悪。
  • 我が国の成人を対象とした調査でも、パンデミック前に比し、2020年8月には、ゲーム依存が疑われる者の割合が1.6倍に増えた。
  • 小・中・高校生のスマホの所有率は毎年のように増加。過剰なゲーム宣伝も踏まえ、今後も拡大することが予想される。

発達障害との関係

AD/HD
  • 不注意ではあるが、好きな作業に集中して取り組むことが可能。
  • 計画的な行動が苦手で、ネット・ゲームにはまってしまうと中断できない。
ASD
  • 対人コミュニケーションの問題が影響している。
  • リアルな世界では自分を表現できないが、ネットやゲームの中では、自分の考えや感情を表現しやすいため、依存に陥りやすい。

治療

  • 治療は主に精神科。
  • 治すのは難しく治療には時間がかかり、再発しやすい。
  • 根治を目指すというよりまずはインターネットやゲームをできる限り断つことを目標に診察や薬物療法を行う。
  • 依存症は治療よりも予防の方がはるかに容易。
  • ネット・ゲーム依存の予防には、親がその恐ろしさや子どもの人生を損なうリスクを理解していることが重要。

まとめ

まだまだ、わが国では、ネット・ゲーム依存症に対して適切に相談や治療できる場所や施設は少ないそうです。家庭での予防が重要ですね。現代社会では中高生にスマホを持たせないという選択肢はないかと思います。我が家でも近い内に子どもたちにスマホを持たせるようになります。そこから、いよいよしっかりと注意して見守っていかなければと思います。

参考文献

  • 久場川哲二,「子どもの脳を壊すネット・ゲーム依存症」,幻冬舎,2022.
  • 作田亮一,LD ADHDASD No.11,ネット依存の子どもを理解し対応を考える:46-47,明治図書出版株式会社,2017.
  • 樋口進,LD ADHDASD No.35,ゲーム依存の対策を急げ:1,明治図書出版株式会社,2023.

 

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