やなせたかし
私は、TBS系列で以前放送していた『林先生の痛快!生きざま大辞典』が大好きでした。この番組で学んだことを今更ながら、まとめてみたいと思います。
やるべきことを前にして、「自分には向いていない・・・」「やる意味がない・・・」と避ける道を選んでいませんか?今回は、アンパンマンの作者 やなせたかしの生きざまをご紹介。
どんな人?
子どもたちに愛と勇気を与えた漫画家。やなせたかし(1919-2013)
- 94歳まで生涯現役を貫いた漫画家やなせたかし、その代表作は「アンパンマン」。1988年にテレビアニメ放送開始。夕方の放送時間にもかかわらず、最高視聴率は15.4%を記録。2009年には最もキャラクターの多いアニメとしてギネス世界記録に認定。
- そんなやなせたかしは、実はアンパンマンを生み出すまでに漫画家以外の仕事をしてきた。
- 童謡「手のひらを太陽に」の作詞。
- 三越のデザイナー。包装紙に描かれている“mitsukoshi” というローマ字の筆記体を書いたのは、やなせたかし。
- 他にも、舞台美術や放送作家などの肩書を持っていた。
どんな生きざま?
子どもたちの心を掴んだアンパンマン。
アンパンマン誕生には衝撃的な生きざまがあった。
知られざる一面
オシャレへのこだわり
- オシャレへの強いこだわりを持っていた。
- シャツは100着以上、帽子は200個以上、派手なものが多かった。
- 「派手な洋服に負けないように背筋が伸びる」
意識して派手な洋服を着ていた。一見、派手なファッションにもふるまいを高める哲学があったわけです。
林先生のことば
「絶対、オシャレをした方が良いと思う。何が違ってくるかというと、自分の中でも安いものを着ている時と、高いものを着ている時って『今日は高いものを着ているから』っていう振る舞いになりますよね。その振る舞いが品の良さにつながる。生徒には、とにかく大学に入ったら、びっくりするくらい高いものを着なさいと言っている。そうすると、体の動きが変わってくる。そこに価値がある。」
重要な出会い
人生を変える2つの大きな出会い
1,立川談志とNHK「まんが学校」に出演
- 当時、大人向けや一般的向けの絵を描いていたが、まだ代表作といえるものがなかった。
- ただ絵は上手、デザインも勉強しているということを活かした仕事をいくつかしていた中で、大きなきっかけになった。
- NHK「まんが学校」は1964年~1967年に放送されていた児童向けクイズ番組。立川談志が司会。そこで、絵描き歌を担当していた。やなせたかし45歳頃。
これをきっかけに、子ども向けの仕事が来るようになった。子ども向けの作品を描く人生に進んだ大きなきっかけになったそうです。
やなせたかしが実感したチャンスを引き寄せる方法
運にめぐり合いたいなら、何でも引き受けてみるといい
「やれ」と言われたら、とりあえずやってみる、「いや、僕無理です」と自分の可能性を閉ざす人が多いと、林先生も仰っていました。
2,手塚治虫とアニメ映画「千夜一夜物語」を制作
- 1969年に公開された映画「千夜一夜物語」。アラビアンナイトとして知られるアラブ文化を描いた物語を原作として手塚治虫が総指揮を執ったアニメーション。
- やなせたかしは、手塚治虫にキャラクターデザインを頼まれた。
- 映画公開時、やなせたかし50歳。
- この作品は、現在とは映画市場の規模が違う時代であった1969年公開映画の第5位と、大ヒット。
この作品に携わったことで、キャラクターデザインの魅力を知った。
林先生のことば
「人間って、その人がどう作られるかというと、人との関りの中で、外からいろんなものを与えられて、やってみるとその人になっていく。人間ということばは、人の間と書く。どんな間柄を持つか、どういう関係を持つかによって、その人自身が作られるのではないかと感じる」
当時、虫プロ(手塚治虫のプロダクション)は、大変な修羅場。仕事がすごく忙しく、お風呂にも入れない状況であった。やなせたかしは、40代後半で激しい仕事をした。
林先生のことば
「どこか人生で無茶をやらないと、人ってグッと伸びない。若い人には『無理だよ』ってところを少し頑張ってもらいたい」
アンパンマン誕生
戦争
- アンパンマンを語る上で欠くことができない要素が戦争。
- やなせたかしは、日中戦争と太平洋戦争を経験。
- 所属していたのは暗号班。直接、人を攻撃するところにはいなかったが、戦争の最前線にはいた。
- 戦争体験は、人生を決するある価値観を生んだ。
戦争体験が生んだ思い
- 正義のための戦争なんてどこにもない。
- 戦争は相手が悪くて、自分が正義と考えてやる。
- しかし、負けたら正義だとは絶対に言われない。ということは、正義なんてものは簡単にひっくり返る。では、正義はないのか?
- 何があっても逆転しない正義とは。
- 目の前に餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。おなかをすかせている人が目の前にいる。だとしたら、その人にどうぞといって食べ物を差し上げること。これは、どこの国であろうが、その時代だろうが、絶対にひっくり返らない正義である。
- お腹をすかせている人を助けるのに、自分の頭をあげて食べさせる、自己犠牲のヒーロ―、アンパンマンが誕生した。
やなせたかしの生きざまから伝えたいこと
- 54歳で「あんぱんまん」の絵本を出版。アニメ放送が始まったのは69歳。人が何かをするのに年齢は関係ない。
- ファッションに対する気迫を持って、自己演出をする。自己演出ができる人は自分を客観的に見ることができる人が多い。
- 自分を客観的に見ながら、きちんとした信念をもって、一つ一つの局面を突破して、最終的に素晴らしい成功を収めた。
まとめ
今回の名言
運にめぐり合いたいなら、何でも引き受けてみるといい
人生でチャンスを引き寄せるための大切な考え方、人が何かをやるのに年齢は関係ないことを学ぶことができました。私が、保育園に通っている頃から、アンパンマンの絵本の貸し出しは争奪戦だったのを覚えています。もちろん、わが子も小さい頃はアンパンマンが大好きでした。アンパンマンは、これから先もずっと、子どもたちに愛されていくのでしょう。